ビルを読む
戦前に建ったオフィスビル、いまも全国に88棟。都市・年代・設計者で見る
2026-10-21 RIACHU編集部
RIACHU のビル図鑑には、1945年より前に建ち、いまも使われているビルが 88棟 載っています(2026年10月21日時点)。そのうち 76棟 は、いまもオフィスとして使われています。
どの都市に多いのか、いつごろ建ったのか、だれが設計したのか。ビル図鑑のデータで集計しました。1棟ずつの竣工年・設計者・出典は、各ビルのページに載せています。
都市別:大阪が29棟でいちばん多い
| 都市 | 戦前のビル | うちオフィスとして使われている |
|---|---|---|
| 大阪 | 29棟 | 28棟 |
| 東京 | 21棟 | 19棟 |
| 横浜 | 12棟 | 12棟 |
| 神戸 | 11棟 | 11棟 |
| 京都 | 9棟 | 2棟 |
| 名古屋 | 6棟 | 4棟 |
大阪が東京より多くなりました。ただし、RIACHU のビル図鑑に載っているビルだけの数なので、都市ごとの戦前のビルの本当の数とはちがいます。
京都は9棟のうちオフィスとして使われているのは2棟で、ほかは店舗などに変わっています。横浜と神戸は、載っているビルがすべて今もオフィスです。
年代別:1920〜30年代が約9割
| 竣工した年代 | 棟数 |
|---|---|
| 1890年代 | 2棟 |
| 1910年代 | 8棟 |
| 1920年代 | 37棟 |
| 1930年代 | 41棟 |
88棟のうち78棟が1920年代と1930年代に建っています。
いちばん古いビル
| 竣工 | ビル | 都市 | いまの使い方 |
|---|---|---|---|
| 1890年代 | 中西金属工業 社屋(煉瓦館) | 大阪 | オフィスほか |
| 1890年代 | 家邊徳時計店 | 京都 | 店舗 |
| 1911年 | KN日本大通ビル | 横浜 | オフィス |
| 1911年 | 海岸ビルヂング | 神戸 | 店舗・事務所・ギャラリー |
| 1914年 | 日本生命京都三条ビル | 京都 | 賃貸オフィス |
| 1918年 | 神戸メリケンビル | 神戸 | オフィス |
| 1918年 | 海岸ビル | 神戸 | オフィス |
| 1919年 | エチソウビル | 東京 | オフィス |
明治期に建ったビルもあり、100年以上オフィスや店舗として使われ続けています。
設計者:2棟以上を手がけた建築家
| 設計者 | ビル |
|---|---|
| 河合浩蔵 | 海岸ビルヂング(1911年)、海岸ビル(1918年)、シップ神戸海岸ビル(1918年)=すべて神戸 |
| 川崎鉄三 | インペリアルビル(1930年)、ジャパンエキスプレスビル(1930年)、昭和ビル(1932年)=すべて横浜 |
| 安井武雄 | 高麗橋野村ビルディング(1927年)、大阪ガスビルディング(1933年)=大阪 |
| 森山松之助 | 玉置文治郎ビル(1929年)、ヨネイビルディング(1930年)=東京 |
| 曾禰中條建築事務所 | 神戸メリケンビル(1918年)、明治屋京橋ビル(1933年) |
| 矢部又吉 | 損保ジャパン横浜馬車道ビル(1922年)、ミナミ株式会社社屋(1934年) |
河合浩蔵は神戸、川崎鉄三は横浜と、同じ港町に何棟も残している建築家がいます。設計者がわからないビルも20棟ありました。
文化財などに選ばれているビル
88棟のうち76棟が、国の登録有形文化財や、都市ごとの歴史的建造物・景観資源などに選ばれています。選ばれた年や名前は、各ビルのページの「文化財・選定」の欄に載せています。
戦前のビルで働くには
戦前のビルでも、いまも会社が入っているビルが多くあります。空室があるかどうかは、ビルのページの「このビルの空室を探す」から、オフィス仲介サイトや持ち主の募集ページで確かめられます。
データについて
- 対象:RIACHU のビル図鑑に載っているビルのうち、竣工が1945年より前のもの(88棟)。
- 竣工年・設計者・用途・文化財の選定:各ビルのページに載せた出典(持ち主の物件概要、自治体の公表資料、文化庁の文化遺産オンラインなど)。
- 「オフィスとして使われている」は、ビル図鑑で「現役オフィス」に分類しているビルです。
- ビル図鑑に載っていない戦前のビルもあるため、全国のすべての戦前のビルではありません。